自家消費型太陽光とは?
自家消費型太陽光発電とは、発電した電気を家庭や事業所で直接消費する方式です。余った電力を売電することも可能ですが、基本的には「発電=使用」を優先します。電力会社からの購入電力を減らすことで、電気代の削減効果が得られます。
特徴
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発電した電気をその場で利用
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売電収入よりも電気代削減効果を重視
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電気料金が高騰する現在においてメリットが大きい
売電型との違い
かつて主流だったのは「売電型」ですが、FIT制度の買取価格が下がったことで、売電中心のメリットは薄れつつあります。
項目 | 自家消費型 | 売電型 |
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電気の使い方 | 家庭や事業所で使用 | 余剰分を電力会社に販売 |
メリット | 電気代削減、再エネ活用 | 売電収入を得られる |
FIT買取単価(2025年) | 余剰売電は10〜15円程度 | 売電のみで収益化は難しい |
主な利用層 | 一般家庭、工場、商業施設 | 大規模発電事業者(メガソーラー) |
自家消費型太陽光のメリット
1. 電気代の大幅削減
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発電した分を直接使うため、電力会社から買う高単価の電気を削減できる
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例えば、家庭の電気代が30円/kWhの場合、売電(15円/kWh)するより自家消費の方が経済的
2. 電気料金高騰への対策
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再エネ賦課金や燃料価格上昇で電気代は今後も高止まりが予想される
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自家消費型は「将来の電気代値上げリスク」を回避する手段となる
3. 環境への貢献
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再生可能エネルギーを自ら使うことで、CO₂削減に直結
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企業はESG・脱炭素経営のアピール材料にもなる
4. 災害時の安心
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蓄電池と組み合わせれば停電時にも電気を使用可能
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家庭では冷蔵庫や照明、企業ではBCP対策として有効
導入事例
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一般家庭:昼間の洗濯・食洗機利用をシフトすることで電気代削減率20%達成
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工場:屋根に太陽光+自家消費運用で年間電気代1,000万円削減
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スーパー:昼間の冷蔵設備に自家消費電力を利用し、省エネ法対応にも貢献
導入の注意点
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発電量と使用量のバランスを確認(余剰電力は売電になる)
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蓄電池を導入すると自家消費率をさらに高められるが、初期費用が増加
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契約形態や電力プランによって効果が変わるため、事前シミュレーションが必須
まとめ
自家消費型太陽光は「電気代削減」「環境貢献」「災害対策」といった複数のメリットを持つ、これからの主流モデルです。売電単価が下がった現在では、自家消費中心の運用が合理的。太陽光発電を導入する際には、ライフスタイルや事業形態に合わせて、自家消費型に重点を置いたシステム設計を検討することをおすすめします。