蓄電池の価格比較|購入とリースどちらがお得か?
電気代の高騰や停電対策をきっかけに、家庭用蓄電池の導入を検討する人が増えています。
ただし導入費用は決して安くなく、「購入とリース、どちらが得なのか?」という疑問を持つ方も多いでしょう。
この記事では、2025年現在の蓄電池市場価格をもとに、購入とリースの違い・総費用・メリットと注意点を徹底比較し、あなたの家庭にとって最適な選び方を解説します。
蓄電池の価格相場を知ろう
まずは、蓄電池の容量別価格の目安を確認しておきましょう。
| 蓄電容量 | 目安価格(設置費込み) | 対応世帯の目安 |
|---|---|---|
| 4〜6キロワット時 | 約100万〜150万円 | 2〜3人世帯 |
| 7〜10キロワット時 | 約150万〜200万円 | 3〜4人世帯 |
| 10キロワット時以上 | 約200万〜300万円 | 4人以上またはオール電化住宅 |
これに加えて、蓄電池は「ハイブリッド型」か「単機能型」かによっても価格が変動します。
ハイブリッド型(太陽光パネルと一体制御タイプ)は初期費用が高いものの、システム全体の効率が良く長期的には経済的です。
蓄電池を購入する場合の特徴
メリット
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所有権が自分にあるため、資産として残せる
住宅設備の一部として扱われるため、将来的に売却する際も付加価値になります。 -
補助金の申請ができる
国や自治体の補助金は、リースでは対象外となるケースが多く、購入者が優遇される傾向にあります。 -
長期的に見ると割安になりやすい
10年以上使う場合、リースよりも総費用が低くなる傾向があります。
デメリット
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初期費用が高く、現金またはローンが必要
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設備トラブルやメンテナンスを自分で管理する必要がある
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売電制度が終了すると投資回収が長期化する可能性がある
購入費用のシミュレーション
例えば、9.8キロワット時の蓄電池を180万円で購入した場合、
電気代の削減効果が年間7万円、補助金20万円を受け取ったとすると、
およそ23〜25年で実質回収できる計算になります。
長期間使用する予定の家庭では、購入のほうが結果的にコストパフォーマンスが高くなります。
蓄電池をリースする場合の特徴
メリット
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初期費用ゼロで導入できる
リース契約では、設置費や機器代金を月々の定額支払いでカバーします。
初期費用を用意する必要がないため、導入ハードルが低くなります。 -
メンテナンス費用が不要
故障や修理が発生した場合、基本的にリース会社が負担します。 -
契約期間終了後の選択肢が多い
再リース・買取・撤去など、自分のライフスタイルに合わせて柔軟に選べます。
デメリット
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総支払額は購入よりも高くなる傾向がある
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契約期間中は所有権がなく、補助金が受けられない場合がある
-
解約や撤去時に違約金が発生するケースもある
リース費用のシミュレーション
例えば、同じく9.8キロワット時の蓄電池をリースした場合、
月額1万5千円、契約期間10年とすると、総支払額は約180万円。
購入とほぼ同額に見えますが、補助金を受けられない分、実質的には割高になります。
ただし、10年以内に最新モデルへ切り替えたい人にはメリットが大きいです。
購入とリースの比較表
| 比較項目 | 購入 | リース |
|---|---|---|
| 初期費用 | 高い(100万円以上) | ほぼゼロ |
| 補助金 | 利用可能 | 対象外のケースが多い |
| 所有権 | 自分にある | リース会社にある |
| メンテナンス費用 | 自己負担 | リース会社が負担 |
| 契約期間 | 制限なし | 10〜15年 |
| 総支払額 | 割安 | 割高 |
| 撤去費用 | 自己負担 | 契約による |
| 向いている人 | 長期使用・資産化を重視 | 初期費用を抑えたい・短期運用 |
お得に導入するための判断基準
1. 使用期間を考える
10年以上使う予定であれば購入、
5〜10年で最新機種に入れ替えるつもりならリースが適しています。
2. 補助金の有無を確認
国の「住宅省エネ2025キャンペーン」や、東京都・大阪府・愛知県などでは、
蓄電池購入者に対して10〜30万円の補助金が出る場合があります。
リースでは対象外になることが多いため、補助金を活用できるかが重要です。
3. 電気料金の上昇リスクを考慮
電気代が上昇傾向にあるため、今後の電力単価が高くなるほど、蓄電池の自家消費効果が増します。
リース契約で固定費を払うよりも、購入して運用したほうが将来的に得になる可能性が高いです。
4. 保証とサポート体制
リース契約では修理や交換費用が含まれるため、トラブル対応は迅速。
購入の場合はメーカー保証(通常10〜15年)と販売店保証の内容を必ず確認しましょう。
こんな人には購入がおすすめ
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20年以上住む予定の持ち家世帯
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太陽光発電を併設していて、自家消費率を上げたい人
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補助金を活用してコストを抑えたい人
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維持管理を自分でコントロールしたい人
こんな人にはリースがおすすめ
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初期費用をかけたくない人
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メンテナンスや修理対応を業者に任せたい人
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賃貸や転勤の可能性があり、長期設置が難しい人
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短期的に電気代削減を体験してみたい人
導入時の注意点
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契約内容を細かく確認する
リースの場合、途中解約や再リースの条件、撤去費用を必ず確認しましょう。 -
設置業者の信頼性を確認
特にリース契約では、リース会社と施工会社が異なることが多いため、アフターサポートの責任範囲を明確にしておくことが重要です。 -
見積もりは複数業者で比較する
同じ機種でも価格差が20〜30万円生じることがあります。
一括見積もりサイトを活用すれば、最適なプランを短時間で比較可能です。
まとめ
購入とリース、どちらにもメリットとデメリットがありますが、選び方のポイントは「期間」と「補助金」です。
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長期利用を前提にするなら購入がお得
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短期的に導入して電気代を下げたいならリースが便利
2025年は補助金制度の充実や電気代の高騰もあり、蓄電池導入はますます注目されています。
導入目的とライフプランに合わせて、最も費用対効果の高い選択をしていきましょう。