活用/運用

災害・停電に強い!太陽光+蓄電池の活用事例

災害・停電に強い!太陽光+蓄電池の活用事例

地震や台風などの自然災害が増える中、「停電への備え」は家庭や企業にとって大きな課題です。特に数時間から数日に及ぶ停電では、冷蔵庫・照明・通信手段の確保が生活の生命線となります。ここで注目されているのが、太陽光発電と蓄電池を組み合わせた「レジリエンス強化型エネルギー対策」です。本記事では、実際の災害時に太陽光+蓄電池がどのように役立ったのかを事例を交えて解説し、導入を検討する方に役立つポイントを紹介します。

目次

    災害時に太陽光+蓄電池が強い理由

    1. 日中は太陽光で発電し、余剰電力を蓄電池に充電

    2. 系統停止時も「自立運転」モードで稼働し、家電を利用可能

    3. 停電が長期化しても繰り返し発電+充電ができる

    4. ガソリンや灯油などの燃料が不要で、調達リスクを回避できる

    活用事例1:地震による長期停電で冷蔵庫を維持

    • 北海道胆振東部地震(2018年)で全域停電

    • 太陽光5kW+蓄電池9.8kWhを導入済みの家庭

    • 冷蔵庫、携帯充電、照明を48時間以上確保

    • 昼間発電で充電し、夜間も使用可能

    • 経済的損失(食品の廃棄)を回避できた

    活用事例2:台風停電で在宅避難を可能に

    • 台風15号(2019年・千葉県)で最大2週間の停電

    • 太陽光7kW+蓄電池13kWhの家庭

    • テレビやラジオで情報収集、扇風機稼働で熱中症防止

    • 夜間のLED照明で安心感を確保

    • 避難所に行かず在宅避難が可能だった

    活用事例3:医療機器ユーザーの安心

    • 在宅医療で酸素濃縮器を使用する家庭

    • 太陽光6kW+蓄電池6.5kWhを設置

    • 酸素濃縮器・携帯酸素ボンベの稼働を継続

    • 災害時も命に関わる医療機器が利用できる

    活用事例4:企業のBCP対策

    • 物流倉庫での停電時、太陽光50kW+産業用蓄電池50kWhを導入

    • 在庫管理システムと冷蔵設備を維持

    • 商品廃棄を最小化し、数百万円規模の損失を削減

    • 事業継続(BCP)に直結

    蓄電池容量と稼働時間の目安

    蓄電池容量 使える電力例 停電時稼働時間(目安)
    4kWh 照明・スマホ充電 約12時間
    6〜7kWh 冷蔵庫+照明+通信機器 約24時間
    9〜10kWh 冷蔵庫+照明+テレビ+扇風機 約36〜48時間
    13〜15kWh 冷蔵庫+エアコン(小)+PC 2〜3日
    20kWh以上 ほぼ日常生活を維持 3日以上

    ※実際の稼働時間は使用家電・季節・発電量で変動

    導入で失敗しないためのチェックポイント

    1. 自立運転対応か確認(停電時に自動切り替えが可能か)

    2. 全負荷型か特定負荷型かを選ぶ(家全体か、一部回路か)

    3. 家族構成や消費電力に合わせた容量選定

    4. 国や自治体の補助金を活用して初期費用を軽減

    5. 停電対応実績やサポート経験が豊富な施工業者を選ぶ

    まとめ

    太陽光+蓄電池は「災害時の電力確保」という点で非常に有効です。実際に冷蔵庫や医療機器を維持し、生活や事業を守った事例が多数あります。導入に際しては容量や設計、補助金活用を意識し、災害に強い住まい・事業環境を整えることが重要です。